最新の内視鏡システムを使用して、食道から胃・十二指腸まで詳しく検査を行います。また、苦痛のないように静脈麻酔や超細経の内視鏡を使用することができます。
【費用について】
~3割負担の方の場合~
・生検・組織検査なし(観察のみ):約4,500円
・生検・組織検査あり :約8,500円~15,000円
種類
胃カメラ検査は、口から内視鏡を入れることが苦痛となっていましたが、鼻から入れることで苦痛が軽減します。
胃カメラには3種類、経鼻内視鏡、通常内視鏡、精密検査用内視鏡があります。
経鼻内視鏡
うどんの細さほどの内視鏡を使用して通常鼻から挿入します(鼻が通らない場合は口から挿入します)。スクリーニング(検診)目的、経口内視鏡で苦痛のある方、高齢者や心臓病のある方などは良い方法です。
メリット
- 咽頭刺激が少なく、嘔吐反射が少ないため、苦痛が軽減されます。
- ほとんどの方で麻酔が不要となり会話しながら検査ができる。
なお、以前口からも鼻からも苦痛があった患者様の場合、細い頸部内視鏡を用いて麻酔下に検査することも可能です。
デメリット
- 鼻腔が狭い方はカメラが通らないことがあります。
- 検査中鼻の痛みがあったり(20-40%)、検査中、検査後に鼻出血(1%)することがあります。
- 拡大観察など術前などの精密検査には使えません。
通常内視鏡
経口的に内視鏡を挿入し、拡大観察や画像強調内視鏡により精密な検査が可能であり、病変の発見率は高い検査です。
精密検査用内視鏡
超音波内視鏡や側視鏡など、病変部を詳細に観察することに特化した内視鏡です。
麻酔
以前苦痛があった、あるいは不安の強い方は鎮静剤の投与(静脈麻酔)をおすすめいたします。
鎮静剤を使用した場合、1時間程度当院で休んでいただきます。
また、当日は薬の影響が残りますので車の運転は事故を起こす危険があり、控えていただいております。必ず徒歩あるいは公共交通機関、迎えに来ていただくなどしていただく必要があります。
拡大観察と画像強調
拡大内視鏡は病変部の超微細構造まで観察することが可能です。
画像強調とは、簡単にいうと、粘膜表層の微小血管や粘膜の微細な模様を強調させて観察できる特殊機能です。
これらを用いることで、早期がんの発見率向上、癌(がん)病変の広がりや深達度の正確な診断などに役立たせることができます。
食道表在がんの画像強調と拡大観察による診断
通常観察- 3時方向に発赤調粘膜の領域を認めます。
画像強調観察- 画像強調観察により病変の存在がより明瞭となります。
特に検診目的などの検査の時にはこのNBI観察を行うことで癌の発見率が高くなります。
画像強調拡大観察- 画像強調に加えてさらに拡大観察することで異常な血管を認め正確な病変範囲と深達度の診断が可能となります。
早期胃がんの画像強調と拡大観察による診断
通常観察- 矢印のところに発赤調粘膜の領域を認めます。
この時点では病変の認識も困難ですが、早期胃がんです。
色素散布像- 従来より行われていた色素散布による観察でも範囲の診断が困難です。
画像強調拡大観察- 画像強調観察と拡大観察を併用することで異常な血管と表面構造を認め正確な病変範囲と深達度の診断が可能となります。
検査の流れ
経鼻内視鏡
- 内服薬や絶食、病歴の確認などの問診をします。
- 胃の中をきれいにする液体のお薬を飲んでいただきます。
- 〔経口の場合〕ゼリー状の麻酔薬を口から入れます(5分程度)。
〔経鼻の場合〕左右いずれかの鼻に出血予防のスプレーをします。 - 検査台に寝ます(経鼻の場合はここでゼリー状の麻酔薬と麻酔薬のついたチューブを入れます)。
- 静脈麻酔をご希望に応じ注射します。
- 内視鏡を鼻、又は口から挿入します。
- 検査は5-10分程度で終了します。
(胃カメラ検査を同日に行う場合は、大腸の検査に引き続いて胃カメラ検査を行います) - 静脈麻酔を使用した場合は1時間程度休んでいただきます。
- 診察室で検査の写真を見ていただきながら、結果の説明をいたします。
検査後
- 喉の麻酔の影響がなくなってから、なるべく消化のよい食べ物(うどんやおかゆなど)を食べていただきます。
- 組織の検査を行った場合は、検査当日はアルコールを控えていただきます。
- 組織検査の結果説明は、約1週間後になります。
胃カメラ検査でわかる主な病気
逆流性食道炎
食道癌
良性胃潰瘍
早期胃癌
早期胃癌
進行胃癌
どんな時に検査を受けるか ~ 胃カメラ
症状のある方(治療すべき病気の可能性)
- ● 腹痛、嘔気・嘔吐、便が黒い、体重減少
- ● 胸痛、胸やけ、胸やのどのつかえ
胃癌のリスク
- ● 40才以上
- ● ピロリ菌陽性者
- ● 血縁親族に胃癌の方がいる
食道癌のリスク
- ●飲酒量が多い
- ●喫煙習慣がある
- ●血縁親族に食道癌の方がいる