大腸カメラ検査

肛門から一番奥(回盲部)まで全大腸を検査します。
当院では苦痛のない検査のために高い技術を持った内視鏡専門医が検査を行い、さらに不安の強い方は静脈麻酔の併用も行います。
対象となる主な病気は腫瘍性病変(ポリープ・癌など)や感染性腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎といった炎症性病変です。

費用について

 ~3割負担の方の場合~
・生検・組織検査なし(観察のみ) :約6,000円
・生検あり(ポリープ切除手術なし):約10,000円~17,000円
・生検あり(ポリープ切除手術あり):約20,000円~30,000円

大腸カメラ検査

麻酔

以前苦痛があった、あるいは不安の強い方は鎮静剤の投与(静脈麻酔)をおすすめいたします。
鎮静剤を使用した場合、薬の影響が弱まるまで1時間以上当院で休んでいただきます。
また、当日は薬の影響が残りますので車の運転は事故を起こす危険があり、控えていただいております。必ず徒歩あるいは公共交通機関、迎えに来ていただくなどしていただく必要があります。

大腸カメラの苦痛対策

苦痛の原因は主に以下の3つあります。

  • ①前処置
    第一の前処置は2リットル前後の腸管洗浄液の服用です。当院では分割して内服したり、少ない洗浄液と水やお茶、清涼飲料水などとの組み合わせで洗浄し、より負担の少ない前処置に努めております。
  • ②検査中の苦痛
    検査技術と麻酔によりなくすことができます。以前苦痛が強かった方、あるいは不安の強い方は麻酔を行うことをおすすめいたします。
  • ③検査後の苦痛
    検査中に観察のために入る空気でおなかが張ったりすることがあります。検査時に送気量を抑えることで軽減できます。また、時間と共に自然消失しますが、症状がある場合はスタッフにご相談ください。

大腸カメラを受けた方が良い方

  • ● 血便がでた方
  • ● 大腸がんの家系の方
  • ● 以前大腸にポリープがあった方内容によって再検査の期間が少し違います。
  • ● 検診などで便潜血が陽性になった方何回か検査した場合に一回でも陽性(+)になった場合は必ず大腸内視鏡検査を受けた方がよいです。

~40歳以上はなるべく定期的に検査することをお勧めします~

大腸カメラ検査でわかる主な病気

大腸ポリープ
大腸ポリープ
早期大腸がん
早期大腸がん
進行大腸がん
進行大腸がん
感染性腸炎
感染性腸炎
虚血性腸炎
虚血性腸炎
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎

拡大観察と画像強調

拡大内視鏡は病変部の超微細構造まで観察することが可能です。
画像強調とは、簡単にいうと、粘膜表層の微小血管や粘膜の微細な模様を強調させて観察できる特殊機能です。
これらを用いることで、早期がんの発見率向上、癌(がん)病変の広がりや深達度の正確な診断などに役立たせることができます。

早期直腸癌の画像強調と拡大観察による診断

通常観察
通常観察
直腸にIia+IIc型の大腸癌を認めます。
色素散布像
色素散布像
従来より行われていた色素散布による観察でも範囲の診断が困難です。
画像強調拡大観察
画像強調拡大観察
画像強調観察と拡大観察を併用することで異常な血管と表面構造を認め、内視鏡では治療できない深さまで達した癌と診断できます。

日帰りポリープ切除術

当院では検査中見つかったポリープは切除することが可能です。
ただし、当日は絶食となり当日、翌日の点滴の追加があります。
また、出血や穿孔のリスクが高い場合、抗血栓薬内服中などの場合は切除できない場合があります。

ポリープ切除術

検査の流れ

(添付イラスト準備中)

  1. 検査は予約制で前日までに診察をいたします。
  2. 検査前日の夜に液体の下剤を飲んでいただきます。
  3. 検査当日の下剤約1.5Lと水やお茶500mlをご自宅、あるいは病院で服用していただきます。
  4. 排便状況の確認をします。
  5. 検査着と紙パンツを着用し検査台に寝ていただきます。
  6. 必要に応じ鎮静剤・鎮痛剤と腸の動きを抑える薬を注射します。
  7. 肛門から内視鏡を挿入します。検査は通常10-20分程度で終了します。
  8. 検査終了後、1時間程度休んでいただきます。
  9. 診察室で検査の写真を見ていただきながら、結果の説明をいたします。
    (胃カメラ検査を同日に行う場合は、大腸の検査に引き続いて胃カメラ検査を行います)

検査後

通常内視鏡: 検査後すぐに食事が可能です。
生検(組織の採取)を行った場合: 通常検査後すぐに食事が可能です。頻度は低いのですが、出血する恐れがありますので当日は消化のいい食事で刺激物の摂取は避けるようにしてください。

ポリープ切除を行った場合: 当日は絶食で当日と翌日に当院で点滴をしていただきます(所要時間:当日4時間、翌日1.5時間です)。その後、問題なければ食事可能となりますが、傷が治るまでの1-2週間は出血する恐れがありますので、激しい運動や刺激物の摂取は避けるようにしてください。

組織検査の結果説明は、約1週間後になります。

出血や腹痛があった場合には病院に連絡をお願いします。